Cobalt's Photolog

About Photos and Arts

ポートレート写真について

写真を撮ることを趣味にしている人は、大きく2つのタイプに分かれると思います。

 

記録としての写真を楽しんでいる人と、写真で作品づくりをしている人です。

 

記録の写真は、おおよそ自分の好きな被写体の画像を集めることや、思い出の保存が目的です。

 

例えば、電車とか、駅とか、鳥など。物や場所、生き物など、愛してやまないテーマで撮ることです。興味がない人からすると、同じような写真ばかり撮って面白いのかなあ、と思いますが、本人は好きなテーマなので、楽しくて仕方がないのです。

 

また被写体ではなく、自分自身が好きな人は、記憶のための写真が大好きです。自分で行った場所、食べたものや、経験したこと、会った人など、自分の思い出を記録しておきたい。その目的で写真を撮ります。

 

これも他人からすると、あまり興味がわかない写真です。本人にとっては価値ある写真ですが、そのことを一緒に経験していない他人にとっては、面白い写真ではありません。

 

記録写真は面白くないぞ、せっかく写真を撮るなら、人から認めてもらえる写真を撮りたいと、感情を想起させる写真に興味がわくと、作品づくりの領域に入っていきます。わたしはそっちに行ったアマチュアカメラマンです。

 

しかし作品指向になると、写真撮影はどんどんめんどくさい趣味になっていきます。

 

風景写真を例にいうと、綺麗な場所に行って普通にただ撮影するのは単なる記録写真です。そんな写真からは何の感情も生まれません。日の出や日の入りなどの、光の美しい瞬間で撮ったほうが、より感動する写真になります。

 

しかし天候や太陽の光のベストタイミングで風景を撮影するというのは、かなり面倒な作業です。その時間をずっと待たないと撮れません。お金になる写真なら、そこまで手間をかけることはできますが、しょせん趣味ですからね、そこそこの労力で、何かしらの表現ができるくらいでいいのです。

 

 そこで作品らしい写真を撮るために、何が被写体としてよいか考えたら、やはり人の感情を揺さぶるのに手っ取り早いのは人物写真だと思うのです。

 

そういう理由で私はポートレートをよく撮っています。モノや場所よりも、人間そのものが人を感動させる存在だからです。

 

それにカメラのレンズ、絞り、シャッタースピード、被写体深度、ライティングなど、いろんなテクニックを使えるのも人物の写真です。風景や建物は28mmのCoolpixAで過不足ありません。

 

被写体として、魅力的な女性や子供の存在感は絶大です。写真を見た人は誰しも、何かしらの感情が揺さぶられます。猫も可愛いですけど、人間の子供や綺麗な女子にはかないません。

 

だからといって人物の被写体パワーに頼りすぎてはいけません。 自分は作品を撮っているつもりでも、単に女性の記録写真を撮ってるだけになる危険性があります。

 

被写体の魅力と自分の写真の腕を混同してしまっている場合がそうです。どこまでが被写体の魅力なのか、どこからがカメラマンの表現か、冷静に判断できないと、撮影の腕は上がりません。女の子を変えて、似たような写真を、ずっと撮り続けているポートレートカメラマンは、作品づくりといいながら、女の子の画像コレクターのようになってる人が少なくありません。まあそれも写真の楽しみではありますから、否定はしませんが、作家気どりや、モデルの子に偉そうにしているカメラマンは嫌いです。

 

ポートレイトの撮影、人物撮影をする場合の一番の課題と労力はモデル探しになります。やはり撮るなら綺麗な女性のほうが楽しいでしょう。それで撮影会に参加したりするのですが、撮影会の短い時間で、作品といえるような構図、アングル、写真的表現を撮るのはなかなか難しものがありますね。

 

作品づくりでは、モデルさんと撮影の意図や目的を共有し、協力してもらって、じっくり撮りたいものです。それには、撮影会ではなく、個人的にモデルさんを見つけて撮らせてもらうほうがよいと思います。

 

私はSNSが苦手というかあまり好きではないので、だいたいリアルで知り合った人に直接、撮影モデルをお願いしています。今までいろんな人を撮りましたが、アート好きで、何か創作活動している人や表現活動をしている人が面白い写真が撮れました。

 

どのようなジャンルの写真であれ、いい写真を撮ろうと思ったら、結局はどこかしら努力をしないとダメですね。もうちょっと楽して作品づくりできないかなあ、と思う今日この頃です。