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国立国際美術館「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」展

国立国際美術館の美術展「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」へ行ってきました。料金は1600円でしたが、内容が濃かったためとても安く感じました。

 

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帰ってからネットで調べると、巡回展で東京の次の開催でした。今年はウイーン関係の美術展が多い年のようです。

 

クリムトとシーレの絵も素晴らしいですが、見どころだと思ったのは、19世紀中ごろから世紀末と20世紀初頭にかけて、ウイーンで生まれた様々なアートやデザインを包括的に紹介しているところ。建築や都市、絵画、グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、ファッションデザインと、広い範囲の展示物があり、いろんなものが影響しあってたのだなあ、と思いました。

 

時代の背景は強大な力を持ったハプスブルグ家の存在。神聖ローマ帝国からオーストリア帝国へ変わっていくなかで、ハプスブルグ家は絶大な権力を維持して、オーストリア・ハンガリー帝国を気づきました。芸術が保護・育成されていたので、この時代に美しく退廃的な世紀末のアートがウイーンで花開いたのです。

 

何もかもが華やかなこの時代の雰囲気を、建築や絵画、デザインから感じることができます。ウイーンに行かなくてもいいとこどりでこれだけの作品が堪能できるこの展示会は、今年の美術展としてはメインディッシュといってもいいくらいの贅沢なイベントでしょう。