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国立国際美術館「インポッシブル・アーキテクチャー」展

国立国際美術館で「インポッシブル・アーキテクチャー」という展示会をやっていたので観に行きました。この展示会は巡回展で去年の二月から埼玉、新潟、広島とやっていたんですね。企画や設計したけど実現しなかった建築を集めた展示会です。

 

建築は好きなので、何も前知識入れずに行ったのですが、正直いうと琴線には触れませんでした。

 

理由としては、インポッシブルアーキテクチャーというタイトルと、ポスターのCG映像から、アーティストが考えた美的ではるが、実現不可能な建築構想を集めた展示会だと勝手に思っていました。展示は実現しなかった建築家の作品集という趣旨でした。

 

展示の代表的な作品が、物議を醸した東京オリンピックのための新国立競技場の設計。ザハ・ハディッド氏の作品は建築費や維持費がべらぼうに高いということで、低コスト案に変更になりましたが、そのデザインが展示されていました。デザインよりも、建築図面や資料の量にびっくり。もう設計がほぼ完全に終わっていたのだということを初めて知りました。勿体ない!

 

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安藤忠雄氏絶賛のこの建築は、よく出来たデザインであると思いますが、贅沢に税金を投入して建造するほどの価値が認められなかったのです。世間の批判を跳ね返せませんでした。巨大な開閉式の天井などに必要な、メンテナンスなどの維持費もネックになりましたね。

 

私は建築デザインにコストかかるのは当たり前だと思うほうですが、この案はボツになってよかったんじゃないかと、今回の展示を見て改めて思いました。私企業が自分たちの私財で建てる建物であれば、どんな建築も自由ですが、やはり税金を使うものは、それなりの節度は必要です。

 

しかしこの展示にあわせて、集められた建築資料がなんとなく、寄せ集め的というか。単にコンペで没になった作品もあったりして、少々がっかりです。ソットサスの落書きまで展示してあって、なんだか残念な感じ。

 

なので純粋に楽しめませんでした。やはり建築は建てられたものが全てです。誰の創作物であれ、図面や模型で終わったものは、鑑賞の対象にはなりません。