Z5を買う時、Z50用にFTZマウントアダプターを買って持っていたので、レンズキットではなくボディのみを購入しました。Fマウントの単焦点レンズもたくさんあるから、Zのレンズはしばらくいらないか、と思ったのです。
でもZ5にFTZをつけて使っていると、大きくなるのが気になってきて、Zマウントの標準ズームレンズもひとつくらい欲しいと思うようになりました。
Z5でレンズキットになっている標準ズームレンズは、以下の三種類です。
レンズ単体の価格を調べると以下の通りになっています。
24-50mm f/4-6.3は、定価¥58,300で中古美品最安値が¥41,500(定価の71%)
24-70mm f/4Sは、定価¥150,150で中古美品最安値が¥65,980(定価の43%)
24-200mm f/4-6.3 VRは、定価¥139,480で、中古最安値¥104,900(定価の75%)
24-70mm f/4Sだけが、2018年に発売されたレンズなので、中古価格が最も値下がりしています。他の二本は2020年に発売されたレンズなので、まだ値段が下がっていません。
それぞれのレンズの特徴と使用目的について考えてみます。
まず、24-50mm f/4-6.3は、最もよく使う画角範囲のズームレンズです。私も単焦点レンズを使う時は、24mm、28mm,35mm,50mmの4本をよく使います。20mm、85mm105mm、135mm、200mm等は、それほど使いません。
ニコンは、ニコンスペースという画像データをアップロードできるサービスで、ユーザーが撮った写真のEXIFデータを収集し、マーケティングに利用しているのでしょう。24-50というのは、そのデータからの企画だと思います。
しかし、昔のDレンズにも24-50があったのに、ここ20年くらいはラインアップから外されていたのは、ズーム範囲が狭くて売れなかったからでしょう。状況がかわったのは、コンパクトなレンズを求めるユーザーが潜在的に多いという判断からでしょうか。
ただしf値4-6.3というのは、魅力を感じません。数年前に、Ai AF Zoom Nikkor 24-50mm F3.3-4.5Dというレンズを買って、しばらく使ってみたのですが、結局使わなくなり売ってしまいました。
24から50mmくらいの単焦点レンズは大好きですが、それは明るくてボケが楽しめるからであり、ボケが楽しめないレンズは持ち出さなくなってしまうのです。
それに単焦点は被写体との距離を工夫することで、画角の工夫ができます。35mmであれば、テクニックで28mmから50mmくらいのレンズの代りにすることができます。したがって、35mmf1.8Gと24-50mm f/4-6.3のレンズを比較して、どちらが写真を楽しめるかというと、私は35mmf1.8Gになります。
だから24-50mm f/4-6.3を買っても、あまり使わなくなるでしょう。携行性を重視するのであれば、Z50と16-50の組み合わせを持ってるので、Z5の出番はありません。2万円くらいになったら買ってもいいかなという感じです。
次に24-70mm f/4Sは、Sラインで画質がいいようですし、f4通しというところも魅力的です。f2.8の24-70はデカくて重くて、持ち出しに躊躇します。500gというのはよいですね。
f4があれば、ポートレート撮影でも使えそうです。f2.8のレンズのほうが、そりゃ表現の幅があってよいですけど、実際歩留まりをよくしようと思えば、f5.6くらいまで絞ったほうよいので、気楽に撮るにはじゅうぶんなスペックです。
中古価格もかなり下がっているところもよいですね。
最後に24-200mm f/4-6.3 VRについて。この範囲のFマウントズームレンズは持っていないので、あってもいいかなと思います。大三元70-200f2.8VRは大好きなレンズですが、持ち出しても使い方はかなり制約されます。近くの被写体は撮れませんから、レンズ交換が必要になります。
屋外でレンズ交換せずにいろいろ撮りたい場合は、便利な範囲です。私は撮りませんが、子供や犬を撮ったりするときはいいでしょうね。200mmもf6.3で背景をボケさせれば、表現の幅もありそうです。
じゃあ、24-300のほうがいいじゃん、という意見もあるでしょうけど、そこまでいくと画質が我慢できなくなります。画質と便利さのバランスではよいのではないでしょうか。
ただし値段がちょっと高い。あまり使わないと思うので、10万円は高いかなあ。
以上の考察により、現時点で買うなら24-70です。安い中古があれば、たぶんこのレンズを購入すると思います。タムロンのZマウントレンズが出るのも待ちたいと思います。
でもほんとはレンズよりも撮りたい被写体とか、撮る目的とかそっちのほうが大事なのですけどね。
目的や被写体が決まっていれば、それに最適な道具を揃えればいいので、余計なものも買わなくてもいいわけです。私が最近撮っているのは、バイクで走ったときのブログ用の写真くらい。古い町並みやお寺や遺跡とか、訪問した場所の記録や、いい風景だと思ったものを撮るくらいなので、Z50と16-50mmのレンズが必要スペックを満たしています。わざわざ重いレンズは不要ですね。スマホでもそこそこ綺麗な写真が撮れますし。
スマホや安いカメラの性能が良くなったから、高い機材をわざわざ買う人が減って、カメラメーカーも大変なのだと思います。SNSの普及で、写真を楽しむ人は昔よりも、増えているのに、カメラの売上が減るなんて皮肉ですねえ。