Cobalt's Photolog

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Nikon Z5とNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sで母子を撮影しました

先日、若いお母さんとその息子さんの写真を撮らせてもらう機会がありました。

 

カメラを趣味にする人は、自分の子供の写真を撮るためという人が多いですが、私はそうではなかったので、お母さんと子供の撮影は初めてで、新鮮な経験でした。

 

それはよかったのですが、まあ・・・子供の撮影は疲れました。じっとしていないし、何かを喋りまくっているし、指示した通りのポーズもしてくれないし、ほっとくと機嫌が悪くなったりするので、いい写真を撮ろうとすると大変です。

 

お子さんの写真を頑張って撮っているお父さん、七五三の記念写真を撮っている写真館のカメラマン、子供を撮っている人達は、私が想像していた以上に頑張ってるんだ、と身をもって理解しましたよ。

 

今回の撮影機材は、Nikon Z5とNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sのレンズキットの組み合わせです。重量が軽く、コンパクトで扱いやすいセットです。この日は、二時間程度の撮影を予定し、母子の写真、お母さんの写真、子供の写真と3つのテーマを撮ろうと計画していました。撮影後、気がついた点や感想などを、覚え書きとして記事にしておきます。

 

まず親子の写真です。これがこの日に撮影した中でのベストショット。お母さんと息子さんのいい表情が撮れたと思いました。

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こういう写真はいいですね。自分の家族でなくてもホッとします。お父さんのスマホの待ち受け画面にしておくと、寄り道せずに帰ろうという気になるのではないでしょうか。

 

被写体が二人なので、絞りをどれくらいにするか、少し悩みました。女性一人のポートレートの撮影では、よく背景をぼかしたいので、開放気味に撮ることが多いです。しかし今回の写真の場合は、二人の瞳にしっかりとピントがあっていないといけません。

 

ただしそれなりに背景もぼかしたい。正確に算出するためには、f値と被写体までの距離から被写体深度の数字を出せばよいのですが、現場でそこまで計算できませんので、結局この写真は絞り優先モードでf10で撮ってます。焦点距離は58mmでした。

 

構図は、ベンチに座ってもらい、私がしゃがんで下から見上げるように撮りました。このアングルだと、お母さんが下を見下ろすようになります。視線で母性を表現できると思ったからです。思った通り、お母さんはとても優しそうな眼差しになりました。

 

母子という題材は、マリアを描く上で宗教がでよく描かれています。それらのほとんどの作品においては、画家の視点の位置は、母親と同じ高さですね。

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これは絵を描くときの状況、モデル、画家、キャンバスの位置関係を考えると、納得できます。絵画と違って、写真の場合は、カメラを上や下に自由に配置できるので、絵画では存在しなかった構図による演出が可能となります。写真を撮る場合は、そういうカメラのメリットを活用するほうが面白いと思います。

 

お母さんだけも撮影しました。ボケを生かすため、焦点距離は70mmで撮りました。

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絞りはf6.3です。日本人の顔の骨格は平面的なので、こうした角度で撮るほうが、立体的に見えるので、お顔が引き立ってよいと思います。でも左右それぞれの目とカメラとの距離が少し変わりますから、絞りを開けすぎると左右の瞳の両方にピントがきません。そうした場合、手前の瞳にあわせるのが撮影の常識になってますが、私はポートレートにおいては、両方の瞳がクリアに写っているべきだと思っています。だから後ろのボケ効果よりも瞳の写りを優先して絞りを決めています。

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f6.3では撮りましたが、背景の玉ボケは、それなりに綺麗に写りました。こうしたところが、このニコンZレンズS-Lineの優秀さだと思います。このレンズはものすごく優秀だと再確認しました。古い単焦点Ai-Sマニュアルレンズなどよりもかなり良いと思います。

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お母さんは、まるで女優さんのように綺麗でキリっとした顔立ちの人でした。でも、芸能人ではありませんから、やはりアップの写真では、いろいろとお肌の不都合が目立ってしまいます。そのため、お肌だけはデジタルで加工しています。画像加工は、フォトショップのニューラルフィルターを使いました。この機能は、マスクキングなしで、自動で顔の範囲だけ修正してくれるので、ポートレートではとても便利です。

 

男の子だけの写真も撮りました。元気な子供の写真は、とにかくシャッタスピードが大事です。動きが早い。マニュアルモードか、スピード優先モードで撮るのがよいですね。でも、一番大事なことは、機嫌よくなってもらうことでした。

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この日は二時間くらいの撮影でしたが、普通にポートレートを撮るよりも疲れました。でも、いつもと違う写真を撮ることが出来たので、充実感がありました。被写体のMさんに感謝です。