Cobalt's Photolog

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男性モデルポートレート撮影で思うこと

男性モデルのポートレートを撮影しました。今回の被写体は、ファッションモデルをしている大海さん。身長が186センチの長身モデルさんです。

 

ポートレートは女性ばかり撮影していたのですが、最近は男性を撮影する機会が増えました。男性を撮影すると、いろいろと新しい発見があって新鮮です。そのあたりをまとめてみました。

 

1.被写体の身長の高さで撮り方が違ってくる

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男性を撮影していていつも思うのは、被写体の身長の高さによる自分のカメラの位置です。

 

私は身長が180センチあるため、女性を撮影するときには、頭から見下ろして撮影しないように、腰をかがめたりしゃがんだりして撮ります。撮影した次の日は、太腿など下半身が筋肉痛になることも少なくありません。

 

今回の被写体さんのように自分より背が高い人を撮影するのは初めてで、カメラの位置もいつもよりも高くとても楽でした。撮る姿勢が違うと、いつもと構図の作り方も変わってくると思います。

 

2.男性の写真を撮るときの気持ちが複雑(?)

 

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男性の写真を撮っていると、男性写真をどうとるべきかという迷いを感じます。

 

ポートレート写真を撮るときの頭の中は、70%くらいはカメラの設定や構図のことを考えています。面白い背景がないか、色や奥行感はどうか、被写体をよく見せる画面をつくるためには、偶然に頼らず、頭を使わなければいけません。

 

あとの30%は、被写体の表情や仕草、ポーズなど。女性の場合は、綺麗だなあ、可愛いなあ、とか感じた瞬間にシャッターボタンを押します。

 

同性の男性を撮る場合だと、このシャッターを押すという瞬間は、少々複雑な感情になるのです。「お、カッコいいな」と思う瞬間に押すのですが、私も男性なので「この男カッコいいな」「女にモテるんだろうなあ」とか、ちょっと悔しさとか嫉妬する感情も起こるわけです。

 

また男の色気を探して撮影しようとすると、同性愛ってこんな感じなのかなあ、とか思ったり。女性の写真と撮るのと違う照れくささがあって、なかなか撮影に集中できない自分がいたりしました。

 

3.男性写真を撮るときのテクニック

 

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カメラマンの力量とは、被写体の魅力を引き出すことだと思います。撮影技術や感性によって、被写体がどれだけ魅力的によく写るかということでしょう。

 

具体的に女性の被写体の場合でいうならば、容姿の魅力に、女性としての魅力(例えば笑顔であったり、女性らしいポーズであったり、優しさであったり、繊細さであったり、性格やその人の持つ雰囲気など)を、写真で表現することでしょう。それは、焦点距離や絞り、光の当たり方、ポーズや表情などが構成要素です。

 

男性の写真においては、やはり男性的な魅力が大事になってくるのですが、今まで男性写真をほとんど撮ってなかったため、どうすればいいのかよくわからん、ということが写真を撮っていてよくわかりました。自分の中に引き出しがあまりないのです。

 

今回のモデルさんの場合は、ファッションモデルとして仕事をしているようなので、普通の被写体が持っていない撮られ方が出来る人でしたので、カッコよく撮れましたが、自分でそこにプラスするものが少なかった、というのが正直な感想です。

 

まあ、そういう引き出しは、普段からいろんな写真を見たり、実際に撮って試したりすることで、頭の中にパターンがストックされるものだと思います。数回撮影したくらいではダメですね。

 

4.女性写真にはない男性写真のよさ

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わからないとはいいながらも撮っていると、男性の被写体の良さというものについて、いろいろと考えさせられます。

 

例えば、顔の細かい傷やニキビ跡も、女性の場合は写さないように、隠そうと考えてしまうのですが、男性の被写体の場合だと、それが魅力に感じてきたりします。また陰影が強い写真も男性の骨格が強調されるので良いですね。

 

また表情についても、笑顔だけでなく、闘争的な目つきや真剣なまなざし、悩みなど、女性の被写体では重くなるような雰囲気も、男性のポートレートにおいては好ましく見えたりします。

 

とにかく被写体の幅を広げることは写真のいい勉強になると思いました。これからも、いろなタイプの人を撮影してみようと思いました。