しばらくズームレンズばかりを使っていましたが、なんだかマンネリ気味になってきたので、単焦点に戻りたくなってきました。いつもと気分を変えるため、マニュアルフォーカスの フォクトレンダーのULTRON 40mm F2 Aspherical SL II SをZ5につけて持っていきました。FマウントなのでFTZ2を使っています。
今回の被写体は、以前撮影したことがあるつきさん。浴衣姿を京都市内の某寺院で撮影することにしました。
撮る前に撮影のテーマをいろいろ考えていました。陰影を生かして、停止した時間、空間の静けさ、というものを感じるポートレートを撮ろうと考えました。
カラーよりもモノクローム写真のほうが、そういう世界観が出せると思いましたので、撮影時にモノクロームに設定して撮影しました。カラーで撮って、後からモノクロームに加工することもできますが、EVFで濃淡を確認しながら撮るほうが、いいモノクローム写真を撮ることができるような気がします。
ただし、後からカラーに戻すことはできないため、その覚悟は必要になります。今回初めて、モノクローム設定で撮影しましたが、緊張感がでるのでよいと思いました。
日本の家屋は、柱と壁の色が違いますので、モノクローム写真がとても映えます。またカラー情報がなく、濃淡のみの表現になりますので、構図と陰影が重要です。主題が鮮明になるような気がします。レトロな雰囲気もいいですね。
今回のレンズは40mmの単焦点。
単焦点レンズを一本だけ持っていくときは、私は35mmを選択することが多いのですが、ポートレートにおいては40mmという画角は35mmよりも使いやすいと思いました。その理由は、35mmよりも50mmに寄っていて、50mmよりも広いから。当たり前なことを言ってますが、この5mmが意外と大きいような気がしました。
こういう構図で、35mmではなく50mmでもない40mmの良さがあるような。24-70ズームレンズを持っていくと、上の写真は28mmで、下の写真は70mmで撮ってしまうと思います。40mmっていいかも。
ただし、フォクトレンダーレンズのため、ニコンの歪み補正機能は使えません。障子がそこそこ湾曲します。この湾曲を画像編集ソフトで補正するのは難儀です。安いニコン40mmf2のレンズ購入が頭によぎります。
でも、このレンズはどのf値でもボケが綺麗なのです。厳密な比較はしてませんが、ニコンの40mmよりボケの性能がいいのではないでしょうか。
お庭の手入れが行き届いていて、緑が美しかったので、モノクロームだけで撮るのが勿体なくなり、途中からカラーに戻して撮影しました。お庭の苔が綺麗です。
↑f8
青紅葉も綺麗です。着物といいコントラスト。
↑f4.5
レンズのボケ性能がわかる写真を撮っておこうと、同じ構図で絞りを変えて撮りました。
↑f13
↑f2
下の写真は、なだらかないいボケですが、これだけ美しい背景の場合は、絞って撮ったほうが良いですね。単焦点を絞るとキレのある写真になります。
初めての場所で、単焦点を使って撮影すると、構図や設定(ほとんどf値)でとても頭を使います。いろいろ考えて撮っていたら、この日はとても暑かったということもあって、2時間ほどの撮影で、だんだんと頭が回らなくなってしまいました。でも、疲れるとして、やはり単焦点を使うほうが撮影は楽しいような気がします。
今回の撮影場所は、被写体のつきさんに紹介してもらいました。とても良い撮影場所でした。ご協力ありがとうございました。