前回の記事ではZ50用に、AF-S DX 17-55mm f/2.8G IF-EDを購入した話を書きました。
いろいろ撮っていましたが、24-70mmf/2.8と比較してどうもボケが弱いです。同じf/2.8なのになあ、とAPS-Cレンズのボケについてあらためて調べたら、私は勘違いをしていたことに気づきました。
APS-Cのセンサーサーズはフルサイズの1/1.5です。したがってAPS-Cの17-55mmのレンズは、フルサイズでは25.5-82.5mmのレンズと同じ画角です。
ですので、AF-S DX 17-55mm f/2.8G IF-EDは、フルサイズカメラでいうと、25.5-82.5mmf/2.8(というレンズはありませんが、あると仮定して)をつけたような写真を撮れると考えていました。ところがそうではありません。
ボケは焦点距離をF値で割った数値になります。フルサイズ70mmをf/2.8で割ると25。同じ画角であるAPS-Cは、1.5で割った46.6mmですので、それをf/2.8で割ると16。フルサイズのほうが数値が大きくなるので、ボケが大きいことになります。
ややこしい計算を抜きにして簡単にいうと、Z50にAF-S DX 17-55mm f/2.8G IF-EDをつけた場合と、Z5に24-70mmf/4をつけた場合は、同じボケになるという計算なんです。
本当かどうか、Z5と24-70f/4を使って撮り比べてみました。
まずはZ50+FTZ2+17-55mmf/2.8で、開放で撮った写真がこれ。48mmあたりで撮ってます。
次にZ5+24-70mmf/4で開放で撮った写真がこれ。70mmで撮っています。
やはりボケに関してはほぼ一緒です。
f/2.8という明るいレンズなので、シャッタースピードやISOでゃもちろん有利な面もありますが、フルサイズ換算のボケを期待してはダメです。フルサイズ換算した場合はf/4と同等と考えたほうがよいのです。
ということは、Z5と24-70mmf/4を持っていた私は、必要性のないレンズを買ったということになるのか。
重さでいうと、Z50が軽くなるかというと、Z50とFTZ2と17-55mmf/2.8をあわせると1325gで、Z5と24-70f/4は1165gで、重くなってる!
Z5はZ50よりファインダー画面も大きくて見やすいし、画素数も多いので、Z50と17-55mmf/2.8の組み合わせに新しいメリットはありませんね。APS-Cカメラだけしか持っていない人が、AF-S DX 17-55mm f/2.8G IF-EDを買うのはよいのでしょうけど。
唯一のメリットは、フィルターサイズが77mmなので、手持ちのソフトフィルターがいっぱい使えるとか、70-82.5mmの画角が増えたとか、そんなところかなあ。
と思いましたが、同じ焦点距離の単焦点レンズを何本も持っている私が後悔することではありません。50mmなんて6本、35mmは5本、20,24,28mmはそれぞれ3本ずつ持ってるんですからねえ。そういうレンズ沼の住人としてはよいのです。
それにボケにもいろいろあるのです。絞り羽根の数は2枚も多いし、ボケの滑らかさなどは、また違うような気がするので、もう少し撮り比べていようと思います。
しかしこのボケに関するところは、ユーザーはよくわかっておいたほうがいいですね。
例えば、NIKKOR Z DX 24mm f/1.7というレンズがありますが、これをフルサイズ30mmf/1.7のレンズと考えちゃうと勘違いですからね。フルサイズ換算だと、36mm f/2.55のレンズになります。35mmf2.8相当と考えるのがよろしいかと。
ボケに頼ってばかりいると、写真が下手になると思っていますけど、やっぱりボケもひとつの表現ですからねえ。