Cobalt's Photolog

About Photos and Arts

奈良国立博物館

私は美術品を見るのが好きで、古典から現代アート、絵画や彫刻、工芸品、建築、インスタレーションなど、なんでも行きます。

 

昔は、関西は東京と比べるとアートやデザインのイベントが少なくて、東京は刺激があっていいなあ、と思っていました。

 

でもたくさんのアートに触れるうちに、古い美術品も現在のアートと通じるものがあることに次第に気がつきました。様式が異なるだけで、人の感性に働きかけるという点では同じなのです。

 

そう考えると、関西は日本で最もアートのコンテンツが多い地域なのですね。この恵まれた環境を楽しまないともったいないと思うようになりました。

 

奈良国立博物館は、日本の仏像美術について学ぶ事のできる、日本随一の博物館です。昔は写真も撮り放題だったらしいのですが、マナーの悪いカメラマンがいたせいで、現在は撮影禁止。

 

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www.narahaku.go.jp

 

バイク停めるところはこちら↓

ちょっと駐車場は離れていますが、博物館は公園内にあって、バイク停めるところが近くにありません。バイクは300円です。

 

春日大社や東大寺も近くにあって、休日ゆっくりと散策するのにいいところ。

  

仏像館には国宝、重要文化財を含む100体の仏像が展示してあり、仏像ができる工程を細かく解説してあるコーナーもあって、すごく勉強になります。いつか仏像を自分で作ってみたい(笑)

 

関西にはお寺がたくさんあって、お堂には仏像もたくさんあるのですが、暗い場所にある場合が多く、細かい造形がよく見えないのです。この博物館にはたくさんの仏像が展示してありますが、明るい場所に展示してあるので、細部がよくわかります。


私は仏像について造詣が深いわけではありませんので、お顔立ちと全体の体のカーブや、細かい細工などを見るのを楽しみます。

 

仏像はだいたい薄い服を身にまとっていて、やわらかい布のドレープが、体にぴったりとくっついた表現になっています。

 

これはミロのヴィーナスに代表されるギリシャ彫刻の服の表現と似ていて、アレクサンドロス大王がインドの北部まで攻め入ったときから後に、ガンダーラ地方でギリシャ文明の影響を受けて仏像が生まれたそうです。仏教は最初の頃、仏陀の像の崇拝を認めていなかったらしいですが、やはり偶像があったほうが信者を増やしやすいですからね。

 

ガンダーラ時代の仏像を見ると、顔や服は確かにギリシャ的でギリシャ彫刻の影響を受けていることがわかります。

 

仏像は作られた国や、時代によって、様々な様式と流行があって奥が深いです。

 

毘沙門天の起源はギリシャ神話のヘルメスだという説があるらしいです。仏像をギリシャ彫刻と組み合わせて展示すれば、面白い企画になると思うのですが。学芸員さんどうですかね。三重のルーブル彫刻美術館から借りてきたらよいと思います。