最近は撮った写真を、55インチの4Kモニターに映して見ています。
モニター鑑賞するようになってから感じたこと、考えたことをまとめておきます。
1.画質に対してよりシビアになる
画質が今まで以上に気になるようになりました。パソコンのモニターで見るときは気にならなかったところも、大型モニターで見ると出来不出来がよくわかるようになりました。ピントについてはもちろんのこと、特に被写体深度とISOが気になります。この写真はもっと絞って撮るべきだったとか、ISOはもっと低めにしてノイズを少なくできたのではないか等々。
これは画面が大きくなったことで、背景の被写体深度が気になってきたのでしょう。ノイズに関しては言わずもがな。
しかしそういう画質は写真の技術的な部分であり、芸術的や美術的な面(テーマや構図、色彩構成)とは別の課題ではあります。
技術的な面は、レンズや機材のスペックをあげると解決できます。例えばVRや高感度のスペックなどは、画質面の向上や撮影で失敗しないように、助けてくれます。そういう理由で、高性能・高価格のカメラやレンズが欲しくなるのです。
コスパを考慮しない趣味の世界では、お金で解決できるところは金を使うという考えになりがちですし。でも、今持っている機材のパフォーマンスをすべて出し切っているわけではありません。撮影技術を向上させることを心がけましょう。
2.横構図の写真はやはり3:2の比率がよい
4Kのモニターのピクセル数は、3,840×2,160で16:9の比率です。デジカメで撮った写真は6,016×4,016ピクセルで、3:2の比率です。デジカメの3:2の比率の写真を16:9のモニターに映そうとすると、縦にフィットさせて左右の画面をあまらせるか、写真の上下部分をカットして、16:9にトリミングするかになります。
上下にフィットさせると、左右の空白部分が気になるので、16:9にトリミングをして見ていたのですが、どうもしっくりきません。上がオリジナル、下がトリミング後です。
撮るときに、その画角でいいバランスになるよう撮ってますので、トリミングしたらやはり悪くなりますよね。
この写真だけではなく、いろんな写真でやってみたのですが、私の場合、静止画は3:2の比率のほうがいいです。
映画などの動画は16:9のほうがよいですが、静止画では横長すぎますね。有名な絵画の比率を調べてみました。
ヴィーナスの誕生(ボッティチェリ)1.72 m×2.78 m=1.62
16:9のワイドモニターに近い比率です。
モナ・リザ(ダ・ヴィンチ)77 cm×53 cm=1.45
2:3の比率に近いです。縦はこの比率がなじみますね。
真珠の耳飾りの少女(フェルメール)44 cm×39 cm=1.13
フェルメールは正方形に近い長方形。インスタの比率は無理あるかな、と思ってましたが、まあ小さい絵はありかな。
ちなみに「黄金比」は1:1.618で、「白銀比」は1:1.414です。
モニターフレームは写真にぴったりのほうがよいので、写真鑑賞用には3:2の比率の4K大型モニターがあるとよいのですが。
3.モニターでは縦構図が小さくなるので、縦型モニターが欲しくなる
私は動きが出る縦の構図が好きなので、縦構図の写真が多いです。せっかくの大型モニターに映しても、縦の構図だとモニターの真ん中一部しか使えません。
縦構図の写真用に、縦にしたモニターが欲しいです。でも大型のテレビは縦にしたり、横にしたりできませんから、PCモニターの大きなものを縦にしたい。でも狭い部屋で机りに余裕がないため今は無理です。オーディオルームのような写真観賞用の専用部屋があれば。
4.フィルム写真と引き伸ばし器が遠のいてゆく
モニター鑑賞の環境が充実したため、フィルムで写真を撮って暗室で印画紙の引き延ばしをやりたい、という気分がますます低下してしまいました。
フィルムや現像剤がどんどん高くなり入手しにくくなってきているので、やるなら早めにやったほうがよいのですが。ああ、どうしましょう。引き伸ばし器の安いのを見つけるまで、しばらく先になりそうです。