天王寺のあべのハルカスで、絵画展の「カラヴァッジョ展」が開催されていたので、行ってきました。
構成はカラヴァッジョの生涯を紹介しながら、カラバッジョがどれだけ影響力のあった画家であったのかを、他の画家の作品とともに紹介するという構成です。
ですので、「カラヴァッジョ展」とありますが、カラヴァッジョの作品だけではありません。もともとさんなに作品数は多くありませんし。カラバッジョの作品は10点くらいで、他はカラヴァジェスキ(カラバッジョの影響を受けた画家)の作品でした。
カラヴァッジョを語るとき、まず彼の生き方というか、ライフスタイルが他の画家とは大きく違うところです。絵を描くのに飽きると、剣を持って夜の夜遊びをして、トラブルを起こす。そしてしまいには、喧嘩で人を刺し殺して逃走。逃走生活の果てに、38歳で熱病で死んでしまいます。
そして画力はルネサンス期の流行をぶち壊す斬新な絵で一世を風靡、多くのバロックの画家に影響を与えました。絵のスタイルは明暗のコントラストをつかって、鮮やかに描く、劇場型の絵画です。
カラバッジョの、感情を揺さぶる写実的な絵は、当時の人々を熱狂させたのでした。というような内容が、絵と丁寧な解説文からよくわかりました。
ちょっと残念だったのは、「ホロフェルネスの首を斬るユディト」という下の絵が、イタリア側のトラブルで展示されていなかったこと。この絵を楽しみにしていたので、残念でした。チケット買う時に説明を受けましたが、わざわざそこまで行って、ああそうですか、と帰る客はいませんよ。
でもいくつか本物を観れましたので眼福でした。
『リュートを弾く若者』
『ゴリアテの首を持つダビデ』
暗闇の中に光で浮き出る人物は鮮やかで、クリアで、すごい存在感でした。当時の人が魅せられたのはよくわかります。
でも図録や絵葉書などは買いませんでした。私はそこまで好きではないみたい。人の感情を揺さぶる天才的な画家ではありますが、美というよりも、ホラー絵画的な要素が大きいからかな。芸術家というよりも、映画のプロデューサー的な才能ですかね。どうすれば人が驚くか、考えて描いていたような感じを受けます。
でも、とても勉強にはなりました。適当に偶然に頼って写真を撮っていても、人を感動させる写真は撮れないなあ、と思いながら鑑賞しました。