NIKKOR Z 35mm f/1.8 Sを買ってしまいました。
本当は35mmではなく、新製品の105mmマクロを買うつもりだったのです。カメラ屋さんで予約をお願いしたら、予約数が多すぎてしばらく販売できないと断られてしまいました。お店で販売できる数が、歩留まりが悪いため少ないとのことでした。代りにマクロの次に欲しかった35mmf/1.8sを買うことにしたのです。
実は、AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G EDやAI Nikkor 35mm f/1.4Sを持っていますので、Zの35mmを急いで購入する必要性はありませんでした。でもZマウントになって本当に画質が上がっているのか、Sラインの単焦点の実力が気になってたので、35mmか50mmが欲しかったのです。
しかしこのレンズの定価は125,400円と高価です。f/1.8Gが定価82,500円なので、同じ1.8でありながら4万円も高い値付けです。市場価格は10万円ちょっと。不要不急のレンズに10万円以上払うほど私は裕福ではありません。
それでも購入に踏み切れたのは、105mmマクロを買うつもりで、不要なレンズを下取りに出して資金が少しできたこと、コロナ禍ですが幸い夏のボーナスが出たので、ニコンを少しでも応援しようと思ったからです。
それに、Zレンズの技術的な仕様を調べてみると、Gレンズよりも商品価値は向上しているようなので、価格差についても納得できました。
性能について書いてみたいと思います。
35mmf/1.8Gのレンズ構成は、8群11枚(EDレンズ1枚、非球面レンズ1枚)です。(以下の図)
Zの35mmは9群11枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり)となっています。(以下の図)
同じ35mmf1.8でも、レンズ構成は異なっています。EDレンズも2枚になったことで色収差が減り、ナノクリスタルコートが追加されたことで逆光性能もよくなっています。非球面レンズも1枚から3枚になっているので、周辺の歪みも改良されていると思われます。
スペックを表にまとめて比較してみました。
型式 | Z 35mm f/1.8 S | AF-S 35mm f/1.4G | AI 35mm f/1.4S |
最大口径比 | 01:01.8 | 01:01.8 | 0:01:01 |
レンズ構成 | 9群11枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコート有) | 8群11枚(EDレンズ1枚、非球面レンズ1枚) | 7群9枚 |
画角 | 63°(撮像範囲FX) | 63°(撮像範囲FX) | 62° |
44°(撮像範囲DX) | 44°(撮像範囲DX) | 44° | |
最短撮影距離 | 0.25m | 0.25m | 0.3m |
最大撮影倍率 | 0.19倍 | 0.23倍 | 0.17倍 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) | 7枚(円形絞り) | 9枚 |
最大絞り | f/1.8 | f/1.8 | f/1.4 |
最小絞り | f/16 | f/16 | f/16 |
フィルターサイズ | 62mm(P=0.75mm) | 58mm(P=0.75mm) | 52mm(P=0.75mm) |
寸法(最大径Xレンズマウント基準面からレンズ先端まで) | 約73.0mm×86.0mm | 約72mm×71.5mm | 約67.5mm×62mm |
質量 | 約370g | 約305g | 約400g |
AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G EDはとても気に入っているレンズで、よく持ち出しています。まず夜景を撮るのにいいですね。玉ボケがとても美しく写ります。
また35mmという焦点距離も、使いやすいのでとても気に入っています。広角効果とボケ効果のバランスがよく、構図もいろいろと工夫できるので、撮影していて楽しいです。表現力の幅が広くて、懐の深い焦点距離だと思います。
でも使っていて、少しだけ不満がありました。ナノクリスタルコートがなかったり、羽が7枚だったりと、微妙に他の単焦点レンズよりも仕様でコストダウンされている感じがするのです。使用頻度が高いレンズだけに残念な感じがしていました。といってもf1.4は買えません。
Zマウントの35mm f/1.8 Sは、AF-S NIKKOR 35mm f/1.8G EDの不満点が解消されて、筐体も高級感のあるデザインになっています。値段があがっても満足できるレンズであると思いました。
買ってから、まだ本格的にこのレンズを使えていないので、今後どれほど満足できるかはわかりませんが、ゆっくり確認していきたいと思っています。
そして今のところ、Zマウントのレンズの追加購入は、前述の105mmマクロの他は考えていないのですが、もし35mmのレンズに予想以上の満足感があれば、他の単焦点も欲しくなってしまうかもしれません。怖い怖い。