Cobalt's Photolog

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「感覚の領域 今、「経験する」ということ」@国立国際美術館

国立国際美術館の展覧会を観に行きました。

 

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先日、大阪中之島美術館の高密度な展覧会の印象が残っていたせいもあって、こちらのほうは印象が薄くなってしまいました。

 

でも展示作品の力が弱かったような気がします。私は今回の企画のような、人間の感覚を刺激するアートが好物なのですが、感動が少なかったというか、いまいちな感じでした。

 

壁を動かしたり、デイバッグを引きあげる体験アートは、感動の薄さを通りこして残念感がありました。巨大色見本帳のページめくりや、ノイズ映像とか、アプローチが20世紀っぽいし、古いかなあ・・・

 

あっ、批判ばかりはダメですね。自分だってたいしたもの作ってないのに・・・

 

印象に残ったのは藤原康博氏の作品です。雪山を木の板に描いたものと、青の絵の具で布団を描いた作品、両方とも大きな絵です。陰影によって風景を描いたものですが、異なるイメージが重なって見える効果があり、視覚的に訴える力がありました。心地よい感銘をうけました。

 

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若い画家なのかと思って、帰って調べると1968年生まれの方でした。多摩美卒で海外に留学し、個展も何度も開催されているようなので、この業界では有名な人なのでしょうか。この作風で作品を何枚も描かれているみたいです。作家の画集か図録があれば購入したいと思ってネットで探したのですが、残念ながら見つかりませんでした。出してくれないかなあ。

 

今回の展覧会は撮影可だったようで、スマホで写真を撮りまくっている人が多くて、ちょっとうるさかったです。撮るのはいいと思いますが、それより目で見て鑑賞するほうが先でしょうに。私は写真を撮るのが好きですが、見る楽しみより撮影が先になるのはカメラの弊害だと思っています。せっかく実物で観れているのに、家に帰ってパソコンで見るなんてもったいないですね。

 

ちょっと残念な感じの展覧会でしたが、国立国際美術館は時々いい展覧会をやっているので、次回は期待したいと思います。

 

大阪中之島美術館といい形で補完しあってほしいので、展覧会の企画や誘致をする方には頑張っていただきたいです。