ここしばらく、ポートレートは撮っていませんでした。人を撮りたいという気分にならなくて、花やバイクばかり撮ってました。
そんな私に「写真を撮ってほしい」と頼んでくれた人がいました。
タカヤ君です。
優しい雰囲気の好青年でした。アパレルショップで働きながら、芸能事務所に所属じ、プロのモデルを目指しているそうです。写真を撮られることで、自分を見せるトレーニングをしたい、ということでした。
撮りたいと思って、モデルをお願いするときは、自分の中でいろいろとイメージがあって撮りますが、撮ってほしいと頼まれた時は、どう撮るか自分の中に構想がないので、とても迷います。
とりあえず、夕暮れの街中でエモい写真になれば、と安易な発想で、夕方梅田で待ち合わせをして、二時間ばかり撮影をしました。
レンズはAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED。
キレイな顔立ちの男の子で、中性的なファッションが好き、ということで、女性っぽく撮ったほうがいいのかなあ、と最初のほうは考えていましたが、途中から男性としての魅力を撮ったほうがいいんじゃないか、と考えて陰影を強調するように撮りました。
でも、どうなんだろう。何がいい写真なのか、どういう写真を撮るべきなのか、正直よくわからずに撮っていた気がします。
過去たくさんのポートレートを撮ってきましたが、被写体深度や構図といった技術的な面を意識しながら撮ることが多く、あまり迷うこともなかったのですが、もはや、自分の中では、そういう面を意識する必要がなくなってきているからです。
結果を確認しながら、人物写真を撮り続けるなら、技術以外の別の視点をもたないといけないのではないか、と考えさせられました。