Cobalt's Photolog

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京都駅で男性ポートレート

またまた男子から撮影を頼まれました。なぜか最近男性からの依頼が多い私。正直いうと、男子よりも女子を撮るほうが楽しいのではありますが、せっかく頼んでくれた依頼は断りません。被写体は18歳大学生のカナタ君です。

 

撮影前にどんな服装で撮るかをネットで打合せしました。かなり特徴的なブランドのファッションが好きで、当日その服装で撮ってほしいとのことでした。

 

衣装が暑そうだし、このところ気温も高いため、撮影場所を何処にするか考えこみました。まず熱中症にならないように、午前中に短時間で撮影することにして、場所は冷房がある京都駅にしました。

 

レンズはズームレンズではなく、久しぶりに35mmの単焦点を使いました。

 

 

 

カナタ君がファッションが好きと言っていたので、ディテールがわかるようにと、ファッション雑誌風に撮しました。

 

f値もあまり開けすぎないよう、また黒つぶれしないように撮りました。ただね、35mmレンズで、そういう写真を撮ると、いわゆるエモい写真にはならないのですよね。クリアに写すことが目的になっちゃうので。

 

そして、カナタ君はイケメンなのですが、自分の顔がしっかり写っている写真が好きではないみたいなのです。

 

被写体がいい、と選んだ写真が、え?と思うような写真ばかりだったので、ちょっとまた考えさせられました。

 

その理由をいろいろ考えていると、次のようなことではないか、と思います。

 

まず、私の良いと思う写真は、被写体にピントが完全に合っていて、黒潰れや白トビがない写真です。これは、デザイナーとして仕事をするときに、いろんな商品写真を扱うことがありますが、職業的な癖になっているようなことです。素材写真も、アート風に撮ろうとしている写真は使えないものが多く、もっと絞って撮った写真はないのかよ、とイライラしながら探していました。

 

だから被写体深度が浅い写真よりも深い写真のほうがいい写真だと思っているのです。でも自分が写真を撮るとき、背景まで計算して撮るのはすごく大変なので、やはりぼかして撮ったりしますけど。

 

まあ、そういうところを良しとする撮り方、被写体を正確に写そうとする姿勢が、どこかつまらない写真を量産する原因となっているのかもしれません。

 

次に、私の年齢からくる感性が原因かもしれません。オジサンの私から見ると、若い被写体には、若さという魅力を一番に感じます。それでその若さを写し撮りたくなるのですが、モデルさん自身には、年上から見た若さという魅力がわかりません。撮影者のいいと思うポイントが、わかってもらえないというギャップがあると思います。

 

そこにはもうひとつ感性の枠の違いがあって、私から見ている被写体の魅力は、全世代の中でのその人の魅力なのですが、若い人は年配の人との相対関係なんて考えていないのです。自分の同世代のコミュニティの中での、自分の価値を感じたいわけなので、オジサンカメラマンの採点は、甘すぎるといったところでしょうか。

 

それから、これは私の問題でもありますが、オジサンの私からすると、若い人の内面に、感性や知性、経験などの深さなどの魅力はあまり感じられません。むしろ未熟さや青さなどが良いと思っています。また内面よりも外見的なところに価値があるので、そこばかり見てしまいますが、若い人自身は、その年齢で悩んだり考えたり苦しんでいるわけですから、外見だけを撮られるのも違う、ということではないでしょうか。

 

と、そのようなことを考えました。

 

もともとカメラマンの技術を理解しておきたい、というところから始めたカメラの趣味です。たぶん、そういうところに一番大きな理由があるのでしょう。

 

学生の頃は、そんなに理屈っぽく作品をつくることはなかったのですが。違う方向性を見つけないと、カメラ趣味が完全にマンネリになってしまうなあ、と思っている今日この頃でした。