Cobalt's Photolog

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ルーブル彫刻美術館

三重県に出張することが何度かあった時に、鶴橋から近鉄に乗って、途中の榊原温泉口駅から、巨大なミロのビーナスとサモトラケのニケ像、自由の女神像が見えます。

 

あれ一体何だろう?ラブホテル?と気になって調べたら、ルーブル美術館の姉妹館だとか。仕事で途中下車ができなかったので、休みの日にあらためて行ってみました。

 

名阪国道で大阪から二時間と少しかかります。ちょっと遠いですね。

 

建物に対して巨大な像。かなり大きな像にびっくりします。どうやって作ったのか。この三体の組み合わせの理由、関連性が何なのか。頭の中は?マークでいっぱいです。

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調べると、どうやらお金持ちの私人が、ルーブルの彫刻に感動して、ルーブル美術館に何度も足を運んで頼み込み、実物から型をとったレプリカを1300点もつくって、地元に美術館をつくったそうです。これはすごい行動力。展示物よりその行動力を讃えたい。

 

美術館の中は撮影可能です。


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 ミロのヴィーナス。柔らかな造形が素晴らしいです。失われた腕を想像させることが、この像の価値だと思います。

 

全ての彫刻は、本物から型をとっているので、どれも鑑賞にたえる出来です。ディテールも細かく見ましょう。

 

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 ニケ像は美しいです。この像が一番欲しい。作られた時には頭があったはずです。どんな顔だったのか知りたいです。

 

なぜか仏像が置かれていたりします。これはルーブルにないでしょう。

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 これは・・・なんだったかな。タイトル忘れました。綺麗なブロンズ像のコピーでした。

 

胸像もたくさん置いています。ひとつひとつを型取りして精巧に複製しています。

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立体造形や彫刻を勉強している芸大生にとって、とても勉強になる施設ですね。彫刻好きな人にもたまりません。建物の設計は黒川紀章さん。

 

でも展示スペースにぎゅうぎゅうに彫刻を詰め込み過ぎなんです。まるで量販店のドンキのような美術館です。そこのところがちょっと残念ですね。造形はもっと空間的に余裕をがないと鑑賞にノイズが入ります。

 

でも広い美術館を歩くのが苦手な方にとってはよいのかもしれません。少ない歩行距離でたくさんの彫刻が楽しめますから。

 

本物から型をとっているので、展示物は素晴らしいのですが、展示方法と隣接する宗教施設のせいでB級な雰囲気がぷんぷんします。アカデミックに作って、もっと人の多い場所に作ればよかったのに・・・と私は思いますが、そんなことより地元経済に貢献されたかったのでしょうね。

 

私はヘンリー・ムーア等の抽象彫刻のほうが好きなので、 もう一度行くかというと少々微妙です。何かのついでがあれば。

 

見終わってから榊原温泉にゆっくり入って帰りました。榊原温泉は枕草子に出てくる三名泉のひとつだそうです。泉質は普通でした。