モノクロフィルム用の暗室をつくりかけていますが、引き伸ばし機などの機材を購入する前に、モノクロフィルムでどんな写真を撮りたいのか、撮れるのか、モノクロの表現に飽きないか、事前によく考えてみる必要があると思いました。ほんとはフィルムカメラを何台も買う前にやっておくべきでした。
そこで、しばらくデジタルカメラのモノクロ縛りで、いろいろ撮ってみることにしました。後でモノクロにするのではなく、モノクロモードで撮ります。色は復活できません。
モノクロのいいところは、色彩がないので構図と光の明暗だけに神経を集中できることです。単焦点レンズ縛りと同じように、モノクロ縛りも普段撮らない面白い写真が撮れそうな気がします。
最初からいい写真が撮れないと、モチベーションが下がるので、まずはモノクロ写真で絶対に失敗しないと思われる、中之島の中央公会堂を撮影しに行きました。
レンズは20mmの単焦点で撮りました。ニコンのAi20mm/f2.8Sです。モノとしての質感がよい、お気に入りのレンズです。そういえばこのレンズだけで撮りに行くのは初めてかもしれません。
車は公会堂の近所に路上駐車しました。淀屋橋の近辺の路上パーキングは、日曜祝日は無料です。知っている人が多いのか、ほとんどの場所に車が停められていて、空いている場所があまりありませんでした。中之島や北浜は、古い建築が多く、人が少ないので休日の散策コースになっているのでしょう。
午後二時~三時の間に撮りました。天気は曇りです。柔らかい光が窓から差し込んで、よい感じで撮れました。
中央公会堂は、煉瓦色が印象的な建物です。細かいデザインや意匠が素晴らしいので、モノクロームで撮っても美しい建物だろうと思っていましたが、後で写真を見ても確かにそうだと再認識しました。20mmで撮ると、画面に迫力が出るので、一枚一枚が印象深い写真になりました。
特に階段がある空間は、大きな窓と階段の作り出す陰影が、素晴らしい感じの写真になりました。天井や壁の西洋風の意匠の、直線と曲線の凹凸も、美しい影を作り出しています。ヨーロッパの古い街並みで撮影したような感じです。
夕方まで撮影したかったのですが、用事ができたので、あまり時間がとれませんでした。また別の日に撮りに行きたいと思います。
この界隈は古いビルディングが多いので、撮影を楽しめるよい場所です。モノクロ撮影の練習にいいだろうと思ってました。外観を撮るだけではつまらないなあ、と思っていたので、室内を撮ると面白くなることがわかってよかったです。やはり建築は外と中の両方見ないと面白くありません。
モノクローム写真は色がないので、光の濃淡の面白さがあるといい写真になります。屋外よりも室内のほうが光が複雑になるので楽しそうです。人物をとるときは、人物への光の当たり方ばかり気にしていましたが、人ではなく場所を撮ると、いろんな光や影を楽しめるので、また別の写真の楽しみがあります。
しかしマニュアルレンズで、レトロな建物をモノクローム写真で撮るのは楽しいですね。家で写真を見るのも楽しいです。