Cobalt's Photolog

About Photos and Arts

丸田祥三氏の写真集「棄景/origin」

最近、休日に時間があるときに、図書館で写真集をみています。

 

意外と写真集をたくさん置いているのです。いろいろと見ていると、廃墟写真のパイオニアである丸田祥三氏の「棄景/origin」という写真集がよかったので、家に所有したくなりました。

 

ネットで探すと、お手頃価格の古書がありました。定価6500円のところ2800円まで安くなってます。

 

f:id:toshihiko-w:20211028151335j:plain

 

届いた本は、そこそこ綺麗な美品だったので幸運でした。開いてみたら、作家の直筆サインが書かれていました。少し得した気分。

f:id:toshihiko-w:20211028151338j:plain

 

確か10年くらい前に、廃墟や工場写真のブームがあって、その頃にこの本が発売されたのでしょう。サイン会か個展で販売された本なのかな。しかし値段の下がり方、サイン本が中古で出回っているのをみると、今はブームが終わって飽きられているのでしょうか。古い写真集でも値段が上がっているものがありますし。

 

でも、そんなことは関係なく、現在私がいいと思った作品なので、わくわくながら写真集を眺めました。

 

f:id:toshihiko-w:20211028151340j:plain

f:id:toshihiko-w:20211028151343j:plain

f:id:toshihiko-w:20211028151345j:plain

f:id:toshihiko-w:20211028151348j:plain

f:id:toshihiko-w:20211028151351j:plain

 

いい作品集です。

 

デジタルカメラではなく、フィルムカメラの時代に撮りためられたもののベスト版という感じ。被写体自体に力のあるものが多いですが、モノクロ写真としてどう映るかを、計算しながら撮っていると思われ、確かにカメラマンの風景を切りとる力を感じさせる写真だと思いました。

 

風景ですから、広角レンズが多めです。後書きのほうにニコンのF90やキヤノンEFなどを使ったと書かれてありました。

 

丸田祥三氏が注目されるまでは、廃墟を被写体にして撮る写真家はいなかったように思います。日本のバブルが崩壊して、世の中が暗くなってきた時に、暗く寂しい、経済活動から置いてけぼりにされた風景が、競争に疲れて希望を失った時代の気分と妙にマッチしたのかもしれません。

 

この写真集は、今後撮る写真の参考になると思います。太陽の塔を撮りにいきたくなりました。