Nikon Z5とNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを使って、大阪北区の中崎町でポートレートを撮影しました。被写体は五十嵐エマさん。関西で撮影モデルとして活動されている役者さんです。目力がとても強い人でした。
撮影場所は大阪市北区の中崎町。元は古い住宅街ですが、今はお洒落なカフェやアクセサリーショップが点在するレトロで不思議な街並みとなっています。
撮影するときはいつも、何かしら撮影の課題を決めてますが、今回の目標は、Nikon Z5とNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sという、レンズキットにもあるベーシックな組み合わせで、できるだけ綺麗にモデルさんを撮影することです。
女性のポートレートを撮影するとき、一番大切なのは顔への光の当たり方だと思います。スタジオで撮影する時や、アシスタントがいる屋外では、スピードライトやレフ板を使って、ある程度までは光をコントロールできます。しかし、屋外で一人で撮影する場合、自分では光をつくれないので、環境光をどれだけ活用できるかが、撮影結果を左右します。
今回の撮影は、11時から13時までのちょうどお昼時。直射日光は使えない時間帯です。日陰の場所を選んで、周囲の建物からの反射光を観察しながら、立ち位置やポーズを指定して撮影しました。後から画像データの調整も行っています。
モデルさんは濃い顔立ちで、前髪が顔にかかっているショートヘアです。初見では男装が似合いそうな印象を受けたので、女性らしい柔らかい感じで撮るのは難しそうだと思いました。陰影が極端に出ないよう、光に配慮したかいもあって、なんとかソフトな感じで撮れました。
顔のアップの写真は、レンズのズーム域50mmから70mmの間を使っています。絞りはf5にしていますが、バストアップくらいにすると、ボケ効果も生かせます。f4標準ズームのボケは使えない、と思い込んでいましたが、このレンズのボケ感はあっさりしていて私は好みです。アップにすると肌の荒れが見えてしまうので、フォトショップのフィルター加工と、コピースタンプでレタッチを入れました。
人によっては、肌を綺麗に見せるために、コントラストを下げたり、トーンカーブの調整をする人もいますが、全体の色調とコントラストが不自然になるので、私はレタッチした方が良いと思います。昔はレタッチを最小限にするために、レンズにソフトフィルターをつけていましたが、瞳の光がふわっとして、目の強さが出なくなってしまいますので、最近は止めています。
AFは、Z5の瞳フォーカスを使いました。これは便利です。f5くらいで撮るのなら、自分でピントをあわせるより、早くて正確です。ただしf2.8通しのレンズでは、まだ瞳フォーカスは試していません。被写体深度が浅い場合は、自分で合わせたほうがよいかもしれません。
体全体を入れる構図では、撮影の高さ位置と、35~50mmの範囲内で焦点距離を変えて撮りました。今回はモデルさんを綺麗に撮りたかったため、人物が歪んでしまう24~28mmの範囲は使わないようにしました。
撮り終えてデータを確認し、補正作業をすると、あらためてニコンのZ5は優秀なカメラだと思いました。肌の色調や暗部の諧調などが、しっかりと記録されています。私はRAWデータではなくJPEGの最高画質で撮るようにしていますが、暗くなっている部分も補正によって、写っている画像を引っ張りだすことができました。色調の微調整をしても、画像が荒れることもなく、とてもよいカメラだと思いました。
D750も、暗部に強いカメラでしたが、Z5はさらに良くなっています。撮影の腕があがった錯覚すら覚えました。このカメラとレンズの組み合わせであれば、画質的には歩留まりの良い撮影ができます。私は、NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを、Z5のボディを買った後から中古で安く手に入れました。たぶんf2.8の大三元レンズを買った人が、手放したのでしょう。軽いし画質もいいので、f2.8通しを買った後でも、手元に置いておく価値はじゅうぶんあるのではないかと思います。
五十嵐エマさんの撮影の申し込みは @ema_igarashi へ。
2022年10月にツイッターが削除されて、撮影依頼は出来なくなっていました。実家に戻られたのか、さらなる飛躍を求めて活動の場を変えられたのでしょう。いずれにしても頑張ってください!