Cobalt's Photolog

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紫陽花のマクロ撮影

7artisans(七工房)の 60mm F2.8 APS-C マニュアルマクロレンズで紫陽花を撮りに出かけました。

 

Z50との組み合わせだと、コンパクトでいいのですが、Z50のファインダーは小さくて、マニュアルでピントをあわせたり構図を考えたりしていると、すぐに目が疲れてきますね。

 

Z5につけたほうがいいかもしれません。

 

Z5で、DXでのクロップ設定にして使うと、FXだと画像サイズは6016×4016ピクセルになりますが、DXでは3936×2624ピクセルになります。ちょっと小さくはなりますが、4K画質(3,840×2,160)くらいはありますし、大きくプリントしませんから、じゅうぶんでしょう。

 

 

一眼レフカメラを買った当初に花の撮影をしたときは、綺麗な花を探して撮ればいいや、くらいにしか考えていませんでした。花の撮影は単調で、つまらないと思ってました。

 

でも最近は、画面の構図を考え、被写体深度と背景の配色を含めて、どれくらい構図が美しくなるかを考えて撮るようにしています。そうやって考えることがたくさんあると、奥が深いと感じるようになりました。

 

花の持つ色彩、花びらの繊細さは、カメラマンの撮影テクニックによって印象がかわってきます。花の撮影は、抽象絵画に通じる美の探求がある気がします。色彩構成が楽しいのです。

 

花の撮影が好きな人は、色彩に対する感性が強い人なのでしょう。あと年をとってくると植物が好きになるのは何故でしょう。

 

7artisansのマクロレンズは安いので、私のようにたまに花を撮影したい人にとっては、よいレンズだと思います。また確認しながら撮れるミラーレスのほうが絶対いいですね。

 

ただひとつの懸念事項は防水機能。小雨のときに撮影するのでしたら、ニコンのマクロレンズのほうが良いと思います。

 

そう考えるとNIKKOR Z MC 50mm f/2.8も、結構いいレンズじゃないかなと思い始めました。

 

50mmという画角は風景を撮るには狭くなりますが、フルサイズにつけっぱなしにして花を撮りに行くときには、ちょうど使いやすいかもしれません。

 

中古で安いのが増えてきたら、買おうかなと考えてます。

 

NIKON IMAGE SPACE について

NIKONのカメラを買って、製品登録をWEBでして会員になると、NIKON IMAGE SPACEという、写真をアップできるクラウドサービスが利用できるようになります。

 

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このクラウドサービスは、NIKONにとって、マーケティングデータを収集できる手段にもなっています。ユーザーがどの製品を使っているか、そしてどういう設定で写真を撮っているかが、ユーザーがクラウドにアップした写真のEXIFデータからわかるからです。でもこれが逆にNIKONの戦略に悪影響を与えたのかもしれません。

 

とはいえ、40GBも画像データを無料で保管できるのは良いですし、誰かに画像データを渡すための中継場所として使えるので、私はずっと活用してきました。

 

でも、ここ最近、NIKON IMAGE SPACEの、GoogleChrone上での操作が、うまくできなくなってしまったり(2021年11月現在)、いろいろな使い勝手の部分が悪いのもあって、ほとんど使わなくなりました。

 

NIKON IMAGE SPACEの使いづらいところは、以下の点です。

 


1.EXIFは、データを渡す被写体にとって重要でないが表示される。

2.パソコンでの使用が前提になっているUIであり、スマホでは使いにくい。特に画像のダウンロード方法がわかりにくい。

3.アルバム整理の際のUIがわかりにくい。いつもやり方がわからなくなる。

 

データをやり取りする代りの手段としては、現在Google Photoを使っています。Google Photoは、無料で使える要領が15GBしかありませんが、UIはシンプルで使いやすく出来ていると思います。

 

Google PhotoのUIは、直感的に操作できるようになっているし、リンクを送られたスマホ側も見やすいです。画像のダウンロードも簡単に行え、互いにコメントを入れられるのも良いところですね。スマホでしか写真を見ない人にはじゅうぶんです。

 

最近、仕事でUIの設計もするのですが、自分で使っている環境で人が見ていると思うのはNGです。NIKON IMAGE SPACEも、今の使用状況にあわせて、改善したほうがよいと思われます。

Z50と登山の写真

今年は、人がいないところに行こうと、よく休日に山に登ったりしています。私は持久力がなく、山登りなど苦手だったのに、コロナ禍の閉塞感のおかげかもしれません。

 

山登りは楽ではありませんが、山上の見晴らしのいい場所まで辿りつくと、とても気分がいいです。写真が目的の登山ではないので、気が向いた時に撮影をしています。

 

1. 広がる景色の写真について

 

山上に登っての最大の喜びは、広がる大地と空の広がりを感じることです。遠くにある地平線、そしてどこまでも広がる空を眺めるのは気持ちがよいです。自分の存在をちっぽけに感じて、普段の悩みも些細なものに思えてくるので、気持ちが晴れます。

 

毎日雑然とした街並みばかり見ている都会人にとっては、特にそう感じるのでしょう。心理学の本で読んだのですが、我々の遺伝子には、進化の過程において、天敵から襲われる恐怖や警戒心が残っていて、敵に襲われることがない広い空間にいると、気持ちが安らぐという面もあるそうです。

 

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そういう場所では、このいい気持ちの景色を記録しようとカメラを出します。でも、ファインダーをのぞくと、ちょっと違うなあ、と思うんですよね。カメラで見る世界は、今の自分の感動とは違う、と思ってしまうのです。

 

理由は、ファインダー越しに見る世界が、目の前に広がる空間よりも狭いからでしょう。カメラで風景を部分的に切りとってしまうと、感動も切りとられるような気がします。

 

写真は、目の前の光景をトリミングすることで、不要な情報をカットし、限られた画面の中で世界観を作り上げます。だから被写体が広がる自然の場合、切りとるという行為で、何か大事なものがカットされた気がするのですね。

 

だから、写真を撮ることよりも、自分の視覚を記憶に残すほうがいいのでは、と思ってしまい、写真を撮る時間が勿体なくなります。記憶に完全に残すことは不可能なのですけど。

 

ただし、これが日の出や日没という時間だと違ってきます。目の前の風景の色彩が、太陽の光によって、様々な色合いになるため、構図として切りとっても絵になる気がします。でも、朝陽や夕陽を山上から写真に収めようとすると、夜間の登山か下山をするか、山上で一泊するかしないといけないので、写真を撮るハードルが上がってしまいます。

 

 

2.木を撮ることについて

 

山を登っていて、広がる景色の次に面白い風景は、植物が作り出す光景です。「気になる木」っていうCM曲もありました。その通りで、"気になるもの"はだいたい"木になります。

 

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たぶん自然の中では、ありふれた風景だとは思いますが、都会で暮らしていると、変な形をしていたり、おかしな生え方をしている木は、とても面白い被写体です。そういうのを見つけると、なんとか面白い構図にならないか、と撮ったります。でも、これらの写真を撮るときは、構図のお手本や定石がないので、どう撮ればいいのかよくわかりません。家に戻って写真を見てから、もっと面白い撮り方があったのではないかと、現場に戻りたくなることがあります。

 

3.山道を撮ることについて

 

山道も楽しい被写体になります。自然の中に人がつくった道は、なぜか絵になります。自然でありながら、人が写っていなくても、そこに人間を感じさせるからでしょうか。

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たまに倒木があったりすると、秘境感が出てくるので嬉しいですね。

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山へ持っていくのはZ50とNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRのレンズキットです。このカメラはとにかく軽いのが良いところ。本体(450g)とレンズ(135g)あわせて585g。ウェストバッグに入れておけば、手ぶらで山を登れますし、首も肩も凝りません。外観デザインではNikon Zfcのほうが、レトロ風でよいですが、グリップはこちらの方が持ちやすいですね。実利性だとZ50のほうがよいと思います。

 

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Nikon Z5とNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sで母子を撮影しました

先日、若いお母さんとその息子さんの写真を撮らせてもらう機会がありました。

 

カメラを趣味にする人は、自分の子供の写真を撮るためという人が多いですが、私はそうではなかったので、お母さんと子供の撮影は初めてで、新鮮な経験でした。

 

それはよかったのですが、まあ・・・子供の撮影は疲れました。じっとしていないし、何かを喋りまくっているし、指示した通りのポーズもしてくれないし、ほっとくと機嫌が悪くなったりするので、いい写真を撮ろうとすると大変です。

 

お子さんの写真を頑張って撮っているお父さん、七五三の記念写真を撮っている写真館のカメラマン、子供を撮っている人達は、私が想像していた以上に頑張ってるんだ、と身をもって理解しましたよ。

 

今回の撮影機材は、Nikon Z5とNIKKOR Z 24-70mm f/4 Sのレンズキットの組み合わせです。重量が軽く、コンパクトで扱いやすいセットです。この日は、二時間程度の撮影を予定し、母子の写真、お母さんの写真、子供の写真と3つのテーマを撮ろうと計画していました。撮影後、気がついた点や感想などを、覚え書きとして記事にしておきます。

 

まず親子の写真です。これがこの日に撮影した中でのベストショット。お母さんと息子さんのいい表情が撮れたと思いました。

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こういう写真はいいですね。自分の家族でなくてもホッとします。お父さんのスマホの待ち受け画面にしておくと、寄り道せずに帰ろうという気になるのではないでしょうか。

 

被写体が二人なので、絞りをどれくらいにするか、少し悩みました。女性一人のポートレートの撮影では、よく背景をぼかしたいので、開放気味に撮ることが多いです。しかし今回の写真の場合は、二人の瞳にしっかりとピントがあっていないといけません。

 

ただしそれなりに背景もぼかしたい。正確に算出するためには、f値と被写体までの距離から被写体深度の数字を出せばよいのですが、現場でそこまで計算できませんので、結局この写真は絞り優先モードでf10で撮ってます。焦点距離は58mmでした。

 

構図は、ベンチに座ってもらい、私がしゃがんで下から見上げるように撮りました。このアングルだと、お母さんが下を見下ろすようになります。視線で母性を表現できると思ったからです。思った通り、お母さんはとても優しそうな眼差しになりました。

 

母子という題材は、マリアを描く上で宗教がでよく描かれています。それらのほとんどの作品においては、画家の視点の位置は、母親と同じ高さですね。

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これは絵を描くときの状況、モデル、画家、キャンバスの位置関係を考えると、納得できます。絵画と違って、写真の場合は、カメラを上や下に自由に配置できるので、絵画では存在しなかった構図による演出が可能となります。写真を撮る場合は、そういうカメラのメリットを活用するほうが面白いと思います。

 

お母さんだけも撮影しました。ボケを生かすため、焦点距離は70mmで撮りました。

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絞りはf6.3です。日本人の顔の骨格は平面的なので、こうした角度で撮るほうが、立体的に見えるので、お顔が引き立ってよいと思います。でも左右それぞれの目とカメラとの距離が少し変わりますから、絞りを開けすぎると左右の瞳の両方にピントがきません。そうした場合、手前の瞳にあわせるのが撮影の常識になってますが、私はポートレートにおいては、両方の瞳がクリアに写っているべきだと思っています。だから後ろのボケ効果よりも瞳の写りを優先して絞りを決めています。

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f6.3では撮りましたが、背景の玉ボケは、それなりに綺麗に写りました。こうしたところが、このニコンZレンズS-Lineの優秀さだと思います。このレンズはものすごく優秀だと再確認しました。古い単焦点Ai-Sマニュアルレンズなどよりもかなり良いと思います。

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お母さんは、まるで女優さんのように綺麗でキリっとした顔立ちの人でした。でも、芸能人ではありませんから、やはりアップの写真では、いろいろとお肌の不都合が目立ってしまいます。そのため、お肌だけはデジタルで加工しています。画像加工は、フォトショップのニューラルフィルターを使いました。この機能は、マスクキングなしで、自動で顔の範囲だけ修正してくれるので、ポートレートではとても便利です。

 

男の子だけの写真も撮りました。元気な子供の写真は、とにかくシャッタスピードが大事です。動きが早い。マニュアルモードか、スピード優先モードで撮るのがよいですね。でも、一番大事なことは、機嫌よくなってもらうことでした。

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この日は二時間くらいの撮影でしたが、普通にポートレートを撮るよりも疲れました。でも、いつもと違う写真を撮ることが出来たので、充実感がありました。被写体のMさんに感謝です。

Nikon Zfcについて その②

Zfcの実物をやっと触ることができました。

 

 

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発売前にネットでZfcのデザインを見た時には「欲しい!もしかしたら買うかも!きっと買っちゃう!」とテンションがあがっていましたが、実物を触ってみると、いろいろと感じるところがあって、気持ちがおさまりました。たぶん買わなくてすみそうです。Z50を持っているのだから、そもそも買わなくてよいのですが(笑)

 

テンションが下がってしまった理由はいくつかあります。

 

理由その1:予想していたより安っぽく感じてしまった。

 

正面と上面の質感は高級感があります。ダイヤルもいい感じです。それに比べて背面のボタン類が安っぽくて違和感を感じました。アナログカメラ的な感じは全くなくて、安いデジカメのボタンという感じです。特に背面上部のシルバーのボタンなど。

それから24-50レンズのシルバーの質感がかなり残念過ぎます。プラスチックへの塗装ですが、黒よりもチープな感じになってます。プラスチックは銀色に塗装すると安物感がでちゃうんですよね。また、ボディの黒いシボシートも、凹凸が浅くて紙を貼っているみたい。滑り止めにもなってません。

 

画像を見ると高級感あってカッコいいのですが、実物が安っぽいのは残念でした。富士フィルムのカメラのデザインと比べてみても、ニコンのほうが安っぽく見えました。Z5とZ50があるので、このカメラを買っても防湿庫に飾っておいて、たまに弄ってニヤニヤするつもりだったので、高級感を感じないと購入する意味がありません。

 

理由その2: Z50と比べグリップがホールドしにくい。

 

Zfcを触ってみると、あらためてZ50のグリップ形状やボディの形状は優れていると感じました。Z50はボディがすごく軽いのにもかかわらず、重くて長いレンズをつけても、しっかりカメラをホールドできるのです。グリップの形状がよく考えられているからなのです。いくつもモックアップによる検討を重ねて、あのグリップ形状が生まれたのでしょう。

 

反面、Zfcは持ちにくいし滑ります。キットレンズ以外は、別売りのグリップオプションがないと持ちにくいと思います。Z50はさすが、ニコンのミラーレス機による起死回生を狙った商品。Zfcと比べることで、Z50がよいデザインであることを再確認しましたので、Z50を持っている私にとってはZfcは不要でした。

 

理由その3:「形態は機能に従う(Form Follows Function)」という工業デザインの基本から外れている。

 

優れた工業デザインは、スタイリングと機能が見事に融合した美しさを持っています。Zfcのスタイリングは、そうした美しさというよりも、ファッション的要素を優先している印象です。

 

例えばペンタ部の形状は、フィルムカメラをまねているだけです。意匠の原型であるFM2のペンタ部は、一眼レフとしての機能的な構造が形になっているのに、Zfcはそれを表面的に真似ているだけ。

 

例えるなら、レコードプレーヤーの形を真似たCDプレーヤーのようなもの。お洒落やファッションなら別によいのですが、 工業デザインとして王道を行くべきカメラという分野では不誠実なデザインかもしれない、と思いました。

 

と偉そうに言ってますが、私も工業デザインの仕事で、そういうウケを狙った装飾的なスタイリングをよくやっていたので、批判する資格はありません。ただ、そういう自分を少し反省しているところもあり、Zfcのデザインを少し残念に思うところがありました。

 

以上の3つの理由から、今回Zfcは購入しないと思いますが、もし私がZ50を持っていなくて、どちらにするか迷ったら、Zfcのほうをを購入していたかもしれません。

 

ニコンのミラーレスを持っていない人にとっては、Z50とZfcのどちらにするか悩ましいと思います。ソニーに流れてしまったニコ爺ユーザーを引き戻す力がありそうですので、ニコンはこのカメラを商品化して成功だと思います。

Nikon Zfcについて

Nikonから新しいAPS-Cのカメラが出ました! Zfcです。

 

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外見はDfのAPS-C版ですね。フィルムカメラのFM3Aに似ています。

 

背面のバリアングルモニターはひっくり返せるようになっています。デジカメっぽさを消すように配慮されています。写真で見る限りは素晴らしいデザイン。

 

私もフィルムカメラやオールドレンズを持っているので、Dfは欲しいカメラでしたが、ちょっと分厚いので結局買いませんでした。こちらはミラーレスのメリットを生かした薄型筐体なので理想的です。デザインだけで物欲が刺激されます。かなり欲しくなりるプロダクトです。たぶん買っちゃうかなあ。

 

しかし業績が回復するほど売れるかどうかは微妙な感じがします。

 

理由として、DfはFマウントのオールドレンズが使えるカメラでしたが、こちらはZマウントのAPS-C。古いレンズを使うという実用性がありません。そういう古くからのニコンファンはDfを持っているので、なかなか買わないでしょう。

 

また新規ターゲットとして、お洒落なカメラ女子にウケようとしているようですが、同じ路線のFUJIFILMのXシリーズに比べ、ZのAPS-Cレンズのラインナップは少なすぎです。Xマウントのレンズはたくさんありますから。

 

以上の理由から、お金に余裕がある人しか買えないモデルになっています。ああしかし、今さらですがNikon1の失敗は大きいですね。あのタイミングでAPS-Cのミラーレス路線にいっておけば、今のニコンの苦境はなかったと思うのですが。

 

現在のニコンの状況では、とにかくROIを意識して、開発の優先順位を決めるべきだと私は思います。このカメラの優先順位が高かったとは思えません。

 

Zfcを売るために、Fマウントのレデューサーを出すのはどうでしょう。

 

今は売られていないようですが、Z50用につくられたKIPON製のFマウントアダプターがありました。私も買ったのですが、どうも性能がピリっとせずに持っているだけになっています。ニコン純正の高性能のものがあれば、Zfcが売れると思うのですが。

 

 

 

Zfcのデザインとマッチして、Ai-Sのオールドレンズが使えるならば、売れると思います。もし特許があるのであればOEMでもいいと思います。

 

私が買うとしたら28mmf2.8のレンズセットですね。Aこのレンズのデザインもたまりません。フルターサイズは52mmですよ。Ai-Sの24mmから50mmのフィルターサイズも52mmですからね。ちゃんと合わせているところが素晴らしいです。52mmのフィルターは十数枚ありますから、ますます欲しくなるなあ。

 

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 28mmレンズは、35mm換算で42mmになりますから、使いやすいレンズですね。f2.8というのもよいです。

 


APS-C用のZマウントレンズもサードパーティから現在いくつか売られてます。Zfcがヒットすればもっと種類が増えるかもしれません。

不要なレンズとカメラを処分

あるレンズが欲しくなったので、資金づくりと防湿庫の整理を兼ねて、不要なカメラやレンズを少し処分することにしました。持っていた機材の記録として、記事にしておきたいと思います。

 

F100(フィルムカメラ)

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このカメラはフィルムカメラです。D750を買ってから、レンズは1.8Gシリーズの単焦点ばかりを買っていて、それらGレンズが使えるフィルムカメラが欲しくなり、一番安く変えたのがこのF100でした。15K円だったかな。入手してからフィルム撮影を久しぶりにやってみました。

 

でもフィルム撮影ってお金かかるんですよね。現像とプリントするのに、フィルム一本36枚で2千円以上かかるのです。しかもプリントがデジタルプリント(フィルムをデジタル化してからインクジェット方式でプリントするやつ)なので、撮るメリットが感じられず、撮る気が無くなってしまいました。それから何年も防湿庫に入れっぱなしです。

 

やはりフィルム撮影は、自分で現像して印画紙に焼かないと楽しくありません。カラーではなく自分で現像できる白黒フィルムを使いたいですね。このカメラの他に、F3とFM3A、FM2を買ったし、AI-S系のレンズもたくさん集めたので、今後F100を使うことはないと思って処分することにしました。

 

 

AI AF Zoom-Nikkor 24-85mm f/2.8-4D IF

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このレンズはD750用に中古で安く購入しました。単焦点レンズのみを買っていたのですが、やはりズームがないと不便な場面があるので、中古で安く買いました。Dレンズではありますが、とても綺麗に写るし、簡易マクロもついているので、コスパのいいレンズです。最近Z5用に、NIKKOR Z 24-70mm f/4 Sを買ったので、このレンズを使うことはなくなると思い処分することにしました。

 

AI Nikkor ED 180mm F2.8S
AI Nikkor 135mm F2.8
AI Nikkor 105mm f/2.5
Ai NIKKOR 85mmF2S

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中望遠のMFレンズ4本です。画角を覚えるために買いました。Gレンズの単焦点は高いので、AI-Sの中古を揃えました。

 

使ってみると、やはり中望遠のMFは使いにくいし、所有している70-200f2.8のレンズと比べて画質が見劣りするので、持ち出す機会も無く、ほぼ使わなくなりました。

 

せっかく買ったので、オールドレンズのコレクションとして持っておくのも良いかとは思いましたが、中望遠はお散歩レンズとしてたまにつけて遊ぶこともないので、処分することにしました。

 

売る前に、もう一度だけ使っておこうと思って撮影に出かけました。それぞれ作例と感想を載せておきます。

 

まずAI Nikkor ED 180mm F2.8Sの写真。このレンズのいいところは、やはりトロトロのボケです。単焦点の明るいレンズらしく綺麗なボケをつくります。

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私はボケに頼った写真があまり好きではありません。撮影結果が、レンズの特性に影響されすぎるからです。でも久しぶりに撮ってみると、やはりこのレンズのボケは美しいです。トロトロです。開放で花を撮ると、以下の感じになります。ただあまり近くには寄れないので、花の写真はマクロのほうがよいですね。

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久しぶりに使ってみると、持っておきたい気持ちが少し復活しました。うーん。でも所有の70-200を、もっと使い込まないと勿体ないので、焦点距離がかぶるこのレンズは持っていても使わないだろうな。このレンズは、今でも人気があるので、中古価格は4万円以上しています。

 

 

次にAI Nikkor 135mm F2.8。こちらも綺麗なボケを生みます。

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このレンズは写りの割に価格が安く、1万数千円くらいでした。望遠を持っていない人が、ちょっと買って遊ぶには手頃なレンズです。

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ただしこのレンズも被写体に寄れません。135mmという画角も、ズームでは重宝しても単焦点としては使いにくいです。私もこのレンズをどう活用していいのかわからず、ほとんど使いませんでした。

 

次にAI Nikkor 105mm f/2.5です。105mmはポートレートの単焦点として、使いやすさの上限でしょう。これ以上望遠になると、アップだけの写真になるか、被写体と離れ過ぎになります。

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単焦点らしい綺麗なボケを生みます。ズームよりも軽くてコンパクトなので、フットワークも軽くなるのがいいですね。

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単焦点は、明るさを生かした写真が撮れます。画像周辺の玉ボケは楕円になります。これは最新型の105マクロも同じような形なので、105mmのレンズの特徴なのでしょう。

 

最後にAi NIKKOR 85mmF2Sです。

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このレンズは写りが気に入りませんでした。玉ボケはf2のときは円形ですが、f2.8以上ではカクカクするボケになるのです。

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でも、180mm、135mm、105mmで撮影してから85mmを使ってみると、85mmも使いやすい画角だと再認識しました。

 

ポートレートを撮るなら、105mmよりも85mmで撮れる構図の方がやはり多いですね。ずっと85mmの画角は中途半端で好きになれないと思ってましたが、私の思い込みなのだろうと思います。

 

以上、今回処分するレンズの話でした。私はもう使わないので、次のオーナーさんに使ってもらうために送り出します。処分はヤフオクではなく、たまにレンズを買っているカメラ屋さんにお願いすることにしました。

 

欲しくなったというレンズは、6月末に発売の「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」です。下取り額との差額はいくらになるでしょうか。

 

追記:「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」を予約しようと思ったら、予約がいっぱいで、しばらく入荷しないと言われました。それと生産の歩留まりもまだよくないそうです。不具合があるかもしれないので、慌てて買わないほうがよさそうです。

 

ニコンの先行き不安

私はニコンでカメラ機材を揃えていて、フィルムカメラや古いレンズなどもニコンの製品を収集しています。ライトなニコンファンです。だからニコンという企業のネガティブなニュースを読むと少々嫌な気分になります。

 

先日も、ニコンが前期650億円の赤字であり、一眼レフの国内生産を終了するという記事を読みました。ここ数年ニコンのニュースはリストラやシェア低下など暗い話ばかりです。ニコンの半導体設備事業も売り上げ激減しているそうなので、こうした状況が続くとそのうち上場廃止や倒産という事態もあり得るかもしれません。

 

カメラ業界からはすでに多くの老舗ブランドが退場しました。コンタックス、ペンタックス、オリンパス、ミノルタはフィルムカメラ時代は、世界にたくさん輸出をして日本の経済を引っ張ってくれました。これらのブランドのレンズをたくさん集めていた人も、今の私と同じような気分だったのかもしれません。もちろん我々ユーザーよりも、社員の人のほうがもっと深刻ではありますが。

 

ニコン低迷の原因としてネットでさんざん言われているのは、ミラーレスへの進出が遅れたこと。私もZ50を購入するまでは、一眼レフもいいところあるからと呑気に思ってましたが、使ってみると、ああこれはミラーレスのほうが伸びるのは仕方ないわ、と納得しました。

 

そういえば、3年前に欧州へ出張したときに、ニコンの販社に勤めていたという現地の人と話したことを思い出します。その人がニコンに勤めていたとき、ソニーのカメラの販売が増えてニコンが売れなくなってきたので、ニコンもミラーレスを早期に市場投入すべきだと販社から強く要求していたそうです。しかし日本本社は聞く耳を持たず、最後は販社の人員のリストラだったとか。(そのときに辞めたそうです)

 

当然、ニコンの技術部門ではミラーレスの開発を行っていたとは思いますが、タイミングが遅すぎでした。一眼レフも多少は売れていたので、潮目を読み違えたのでしょうか。

 

不確実な未来を予想して改革を遂行するということができない日本企業の代表例にも思えます。例えるなら致命的に思える病気にならないと生活スタイルを変えられない中年男、あるいは今までこれでやってきたんだから、これでいいんだ!と後継ぎの言うことを無視する創業者のようです。

 

これは私の個人的な想像ですが、ニコンの経営陣の中では、技術出身役員の発言力が営業やマーケの役員と比べて強いのではないでしょうか。ニコンという企業が伸びたのは、技術力であることは間違いありませんから。

 

私も技術開発系の人と一緒に仕事をしてきました。モノづくりをしてきた人達は、自分たちのやってきたことに対するプライドがあります。今まで会社を引っ張ってきた人は、頭を切り替えて自己否定の技術を推進できないことが多々あります。

 

そういえばニコンでは、APS-Cサイズしかなかったときも、フルサイズ機はいらない、とか言ってましたっけ。

 

これはニコンだけでなく、高度経済成長を引っ張ってきた日本の製造業全体にいえることでしょう。成功体験から意固地になって、引き際を見誤り、日本の輸出を支えてきた事業がどんどん弱体化しているのを見ると、とても残念な気持ちになります。

 

しかしニコンの場合は諦めるのはまだ早いと思うのです。ソニーやキヤノンには、まだあと一回くらいは巻き返しできるはず。

 

私が思うニコンの起死回生に必要なことは、まずは意識改革です。「報道カメラはニコン」といった過去の栄光を忘れてください。儲けるためにはナリフリかまっていられない、このままでは会社が潰れる、という商売の原点に戻ることが重要です。ニコンは軍事産業で大きくなったので、そんな社風時代があったのかわかりませんけど。

 

ニコンの強みはやはり光学系なので、レンズラインナップを早急に充実させる必要があります。Fマウントの一眼レフが売れたのは、他社にはないレンズの商品力があったからです。私もニコンを選んだ理由は、単焦点レンズがソニーやキヤノンよりも買いやすいからでした。

 

ですからZマウントレンズのラインナップが遅れているうちは、いつまでもキヤノンやソニーを捉えることはできません。それなのに、ロードマップはのんびりとした計画になっています。Zマウントの新レンズを、新規設計で出そうとするから遅くなるのです。

 

実績のある1.8Gシリーズと基本設計を同じにして、長さを伸ばしただけのレンズを安価に早く出さなかったのか私は不思議です。FTZをくっつけただけのレンズを出して、ニコンは手を抜いたと言われるのを恐れているのでしょうか。後玉の後ろに空洞があるレンズを出すのが恥ずかしいのでしょうか。

 

しばらくはFとZの両方のマウントを売るのだから、共通部品を使ったって誰も非難はしないのに、そういうところが技術のプライドなのだと思うのですよ。古いニコンユーザーの文句よりも、新しいユーザーを獲得しないと未来はありません。これから一眼レフのレンズなんて売れなくなるんだし、せっかくある資産が勿体ない。

 

もはやカメラの市場は縮小する一方。市場が拡大しているうちは、技術優先でもよかったのでしょうけれど、市場環境が変わってくると、発想を変えないといけないのでは。とにかくシェアをある程度回復して、筋肉質経営にして、利益率を二桁にするくらいに戻さないといけません。

 

私はニコンと心中してもよいという気持ちで機材を買ってきました。カメラやレンズ、スピードライトなどで、2百万以上は使っていると思います。将来性で選べばソニーかキヤノンでしょう。しかし買い替えるつもりはありません。このままニコンというカメラのブランドが無くなっても、機材を手放すことはないでしょう。

 

でも出来ればニコンというカメラブランドは生き残ってほしい。どんな手段を使っても頑張ってほしいです。

Z5とAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDでマジックアワー・ポートレート

Z5に「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED」をつけて、ポートレートを撮りに行きました。

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「AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED」は約900g です。FTZは135gなので、Zマウントの「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」805gよりも、合計220gほど重いことになります。

 

FマウントのAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8Eは、現行モデルはVRがついて1kg超えています。私の所有してるのは旧モデルのVRなし。Z5はボディ内に手振れ補正がありますので、100g以上軽い旧モデルを買っておいてよかったと思いました。(手振れなんかいらない!といいつつ、あったらあったで喜ぶ)

 

「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」の性能は、Fマウントのレンズよりもよさそうですし、200g軽くておまけにだいぶ短いので、Z5につけるのでしたらよいなとは思うのですが、なんせ30万円もします。

 

ズームの使用頻度はすくないので、自分は買い替えてはいけない人である(笑)ということを肝に銘じるため、今回はNIKKOR 24-70mm f/2.8G EDを使用しました。

 

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70mmf2.8

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24mmf2.8

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24mmf2.8

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70mmf2.8

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42mmf2.8

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70mmf2.8

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70mmf2.8


夕方日没前の一時間、いわゆるマジックアワーに、かなり集中して撮りました。ほとんど開放で逆光にしながら撮ってみました。

 

天気もいい日のマジックアワーでしたが、さすがはニコンのEDレンズです。ほんとうに逆光に強い。あまり露出補正をしなくても破綻しません。Z5もよく出来ていて、後でパソコンで少し傾きをなおしたくらいで、コントラストや色味修正もほとんど不要です。ニコンはいいレンズ、いいカメラだなあ、と満足しました。

 

そして撮っていて、ミラーレスは思ったよりもいいぞ、とあらためて認識しました。露光アンダー、露光オーバーが、電子ファインダーで撮る前に確認できるからです。今までの光学ファインダーも、インジケーターで確認できていたのですが、やはりどういう風に撮れるか、電子ファインダーで確認できるのは便利です。やはり経験値の低いアマチュアは、光学ファインダーより電子ファインダーのほうがわかりやすいですね。Fマウントレンズをたくさん持っているので、D750は手離さずに持っていようと思ってますが、これからZ5との使い分けをどうするか、少し悩ましいところです。

 

それと、24-70mmのズームは、望遠側と広角側の両方使えるので、すごく便利であると、当たり前ですが再認識しました。ポートレートは単焦点じゃないと、なんて偉そうに言う前に、ズームレンズを100%使いこなしてみろ、と自分に言いたい。高いレンズを欲しがる前に、手持ちのレンズを200%活用しなくてはいけませんね。AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDはとてもいいレンズです。

 

モデルは何度か撮影しているなっこさん。前髪はあげてるほうがいいかなあ。

 

それから久しぶりにレフ版を遣おうと思ったら、反射のための銀色塗料が剥げてました。裏面の白いほうもだめ。いつ買ったのか忘れましたが少なくとも10年以上前です。 こういうのも寿命があるんですね。最近レフ板を使わなくなりましたので、買い足すのはしばらく先になりそうです。

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Z5とAI Nikkor 50mm f/1.2Sでポートレート

AI Nikkor 50mm f/1.2Sが、いつの間にか製造中止になっていることをニコンのHPで知りました。このレンズの設計は40年くらい前です。それから最近までずっと売られ続けてきたとは驚きです。

 

AI Nikkor 50mm f/1.2S - 概要 | NIKKORレンズ | ニコンイメージング

私も数何年前に購入して持っています。最近しばらく使ってなかったこのレンズを、最新ミラーレスのZ5につけて、ポートレートを撮影してみたくなりました。あらためて、このレンズにどういう価値があるのか、考えてみました。

 

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作例1:この日のベストショットです。開放で撮って、全体にソフトフォーカスがかかっているかのような柔らかい雰囲気が生まれ、背景のボケもちょうどよいバランスに撮れました。瞳も綺麗に写っています。

 

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作例2:木の間の光を玉ボケにして、地面の落ち葉をなだらかにぼかそうと思った写真です。あと一段階絞ってもよかったかも。

 

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作例3:こういう構図の写真は、やはり85mmや105mmのレンズを使った方がいいだろう、と思いました。70-200mmf2.8を使うほうが美しいボケの背景が撮れますね。

 

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作例4:50mmの背景は、やはりザワザワしています。しっとりとしたボケが好みなら、やはり中望遠レンズのほうがいいですね。

 

 

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作例5:被写体に近づいて開放の背景で撮りました。背景はもう何が映っているのかわからないほどボケています。光の量を考えて撮った方がいいですね。

 

ボケさせてもピントの芯がしっかり残って、やはり優れた基本性能のレンズだなあ、と思いました。

 

私はポートレートを撮るとき、いつもf5.6くらいで撮るようにしています。オートフォーカスで撮るとき、被写体深度が浅いとピントが瞳にあわない失敗が増えるからです。f5.6で撮ると、8割くらいはピン外しの写真はありません。それに開放で背景をぼかすとせっかくたくさん撮っても同じような写真ばかりになりますから、あまり開放では撮らないのです。

 

AI Nikkor 50mm f/1.2Sの最大の価値は、やはりf1.2という明るさですから、今回は背景をぼかす写真を意識的にたくさん撮りました。久しぶりにボケを多用する写真ばかり撮ってみると、背景や被写体との距離などによって、ボケもいろいろと表情を変えることをあらためて実感しました。

 

ボケをいかした写真は中望遠レンズのほうがいい、と決めつけていましたが、標準域のレンズのいろいろと表情を変えるボケを使いこなせると、表現の範囲は広がりますね。

 

 

写真のコンテストでは、レンズの特性をいかした写真が入賞しているのをあまり見たことありません。フォトグラファーの技量や感性というより、レンズの特徴で撮った写真に見えるからでしょうか。

 

レンズの持つ特徴に踊らされるのではなく、先にこういう写真を撮りたい、というイメージがクリアで、それを実現するための機材や技術について考えるのでしたら、こういう特徴のあるレンズが持つ表現力を生かす写真もよいだろうと思いました。